いつも茶禅草堂のブログをご訪問くださいまして
有難うございます。
岩咲ナオコです。
早春から初夏にかけて
中国各地そして日本全国で
新茶(緑茶)の製茶シーズンを迎えました。
お茶愛好家にとっては幸せな季節です
このたび、茶丿路(roadoftea)にて
中国緑茶と日本緑茶の品茶会を
いたしました。
同じ「緑茶」という分類でも
そのよそおいと香味は全く違います。
そこには、それぞれの民族性や生活習慣、
嗜好などが関係していますが
それ以上に自然条件による影響は
大きいと思います。
このたびは「伝統×革新」をテーマにし
数ある緑茶の中から厳選して
2種類のお茶をご紹介させていただきました。
中国緑茶:
太平猴魁(安徽省黄山市)
顧渚紫笋(浙江省長興県)
日本緑茶:
嬉野釜炒茶(佐賀県嬉野市)
顧渚紫笋
唐代に陸羽に愛され貢茶(献上茶)。
中国緑茶の中で失われつつある製法を
復刻すべく
蒸青法でつくられたお茶です。
唐代の面影を残しつつ現代へ革新したお茶
嬉野釜炒茶
明代に新しい製法として渡った釜炒り茶。
九州地方を中心とした製法ですが、
機会化が進むことで
中国から伝わったままの鉄鍋を使った製法を
伝承する茶師も僅かとなりました。
伝承人による古式製法のお茶
お茶を嗜む者は
味わった時の香味から
そのお茶が上質か否かを判断します。
そのお茶の品質の理由は
どこにあるのでしょうか?
人による製法技術や土壌管理によるものが
大きいと思われがちですが、
もちろん人の技術も大切ですが、
茶農の見ている視点は
違うところにあります。
本当に美味しいお茶を追求する茶農は
天地と向き合っています。
茶樹の生育環境。
今回2種のお茶を品茶会で
ご紹介させていただくために
2人の茶師にお茶への思いを
インタビューさせていただきました。
国が違い、環境の違う茶山で
お茶を生産している2人でしたが
共通していたことは
その山の自然環境と向き合い
その環境の中で育った茶樹の性質と
向き合っていること。
それゆえに同じ緑茶という製法でも
お茶の味わいが違うのです。
品茶会にご参加いただいた方が
素敵な感想をくださいましたので
ご紹介します
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今日の中国茶 日本茶
どちらも初めて頂く産地のお茶でした。
中国茶 静かに徐々に奥の奥に
こおばしく香る奥ゆかしさでした
いかにもーどーだーではなくて
後から舌の余韻が響いて
舌の横ががボワボワと感じていた事に驚きました。
土の葉の持つ力なのでしょうか?
面白かったです。
佐賀の釜炒り茶
舞台の一幕ニ幕三幕を見ているような
ワクワクしどおしで美味し楽しかったです
(ご参加者様 T様)
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どのような生態環境の中で
茶樹が育っているのか?
お茶は植物であるということが
前提であるということです。
さらに茶農お二人の観ていた
共通の視点は、
古人のお茶の製法はどうであったか?
自然条件を現代人よりも熟知していた古人が
どのような作り方をしていたのか?
そこをヒントに現代の喫茶法に寄せて
あらたな製法を
模索していました。
お茶は人為的な技術や製法の前に、
先ずは自然条件がある。
わたしたちが美味しいと認識する感覚も
実は天地(自然)を味わっていることを
認識していただけたのではと思います。
それにしてもお茶は本当に良いですね。
この度の品茶会でも
お茶が初心者の方から
上級者の方まで別け隔てなく
笑顔を囲むことができました。
そして今回の品茶会は
茶農のお茶に対する哲学にもふれる
深い時間となりました。
来月は6月26日(日)
興味深く思っていただける品茶会を
予定しています。
近々ご案内いたします。
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